介護職員処遇改善加算

「介護職員処遇改善加算」は、介護の現場で働く介護職員の賃金向上など、処遇改善を図るために実施されているものです。
介護職員の研修機会の確保するなど、安定的な処遇改善を図るためにの環境を整備するとともに、賃金改善に充てることを目的に介護報酬の加算が行われます。

目次

1 制度概要
2 処遇改善加算率
3 職場環境要件
4 特定処遇改善加算
5 特定処遇改善加算の加算率
6 手続の流れ

1 処遇改善加算の概要

1-1 制度概要

処遇改善加算は、「キャリアパス要件」と「職場環境要件」の達成状況に応じて加算を受けることができる仕組みになっています。
加算額は、介護サービス別の基本サービス費に各種加算減算を加えた1か月あたりの総単位数に、サービス区分とキャリアパス要件、職場環境要件の状況に応じて設定された加算率(加算Ⅰ~Ⅴ)を乗じた加算額となります。

※加算Ⅳ、加算Ⅴは2021年3月31日で廃止。ただし、2021年3月31日時点で既に算定している事業所については2022年3月31日まで算定できる。

1-2 キャリパス要件

キャリアパス要件は、次のとおりⅠ、Ⅱ、Ⅲの3種類の要件があります。

Ⅰ 職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系を整備すること
Ⅱ 資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
Ⅲ 経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

 

1-3 職場環境要件

賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施することが求められています。
具体的には資質の向上や職場環境の処遇改善などを実施します。

2 職場環境要件

職場環境等要件への取組み状況に応じて次のとおり設定されています。

資質の向上 ・働きながら介護福祉士取得を目指す者に対する実務者研修受講支援や、より専門性の高い介護技術を取得しようとする者に対する喀痰吸引、認知症ケア、サービス提供責任者研修、中堅職員に対するマネジメント研修の受講支援(研修受講時の他の介護職員の負担を軽減するための代替職員確保を含む)
・研修の受講やキャリア段位制度と人事考課との連動
・小規模事業者の共同による採用・人事ローテーション・研修のための制度構築
・キャリアパス要件に該当する事項(キャリアパス要件を満たしていない介護事業者に限る)
・その他
職場環境・処遇の改善 ・新人介護職員の早期離職防止のためのエルダー・メンター(新人指導担当者)制度等導入
・雇用管理改善のための管理者の労働・安全衛生法規、休暇・休職制度に係る研修受講等による雇用管理改善対策の充実
・ICT活用(ケア内容や申し送り事項の共有(事業所内に加えタブレット端末を活用し訪問先でアクセスを可能にすること等を含む)による介護職員の事務負担軽減、個々の利用者へのサービス履歴・訪問介護員の出勤情報管理によるサービス提供責任者のシフト管理に係る事務負担軽減、利用者情報蓄積による利用者個々の特性に応じたサービス提供等)による業務省力化
・介護職員の腰痛対策を含む負担軽減のための介護ロボットやリフト等の介護機器等導入
・子育てとの両立を目指す者のための育児休業制度等の充実、事業所内保育施設の整備
・ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による個々の介護職員の気づきを踏まえた勤務環境やケア内容の改善
・事故・トラブルへの対応マニュアル等の作成による責任の所在の明確化
・健康診断・こころの健康等の健康管理面の強化、職員休憩室・分煙スペース等の整備
・その他
その他 ・介護サービス情報公表制度の活用による経営
・人材育成理念の見える化
・中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立(勤務シフトの配慮、短時間正規職員制度の導入等)
・障害を有する者でも働きやすい職場環境構築や勤務シフト配慮
・地域の児童・生徒や住民との交流による地域包括ケアの一員としてのモチベーション向上
・非正規職員から正規職員への転換
・職員の増員による業務負担の軽減
・その他

3 処遇改善加算率

加算率は、サービス区分とキャリアパス要件、職場環境等要件への取組み状況に応じて次のとおり設定されています。

4 特定処遇改善加算

特定処遇改善加算は、経験技能のある介護職員のさらなる処遇改善を行うことで、既存の処遇改善加算に上乗せ加算が行われるものです。

 

4-1 特定処遇改善加算の要件

特定処遇改善加算を受けるためには、次の要件を満たすことが求められています。

Ⅰ 現行の介護職員処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)までを取得していること
Ⅱ 介護職員処遇改善加算の職場環境要件に関し、複数の取組みを行っていること
Ⅲ 介護職員処遇改善加算に基づく取組みについて、ホームページへの掲載等を通じた見える化を行っていること

 

4-2 特定処遇改善加算の配分ルール

「経験・技能のある介護職員」のうち1人以上は、賃金改善に要する費用の見込額が月額平均8万円以上、または年額440万円以上であること
「経験・技能のある介護職員」の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、「他の職員」と比較し、より高くすること
「他の介護職員」の賃金改善に要する費用の見込額の平均が、「その他の職種」の2倍以上であること。(ただし、「その他の職種」の平均賃金が「他の介護職員」の平均賃金額の見込額を上回らない場合はこの限りではない)
「その他の職種」の賃金改善後の賃金見込額が年額440万円を上回らないこと

 

4-3 経験・技能のある介護職員、他の介護職員、その他の職種

●経験・技能のある介護職員とは、勤続年数10年以上の介護福祉士を基本としますが、他の事業所での経験などを考慮し、事業所において設定することができます。
●他の介護職員とは、経験・技能のある介護職員以外の介護職員をいいます。
●その他の職種とは、介護職員以外の職員をいいます。

5 特定処遇改善加算の加算率

特定処遇改善加算の加算率は、サービス区分とキャリアパス要件、職場環境等要件への取組み状況に応じて次のとおり設定されています。

6 手続きの流れ

事業者は都道府県などに加算の届出をした上で、加算請求を国保連に行います。
加算を取得した事業者は、介護職員の研修機会の確保や雇用管理の改善などとともに、加算の算定額に相当する賃金改善を実施します。

最終更新日:2021/11/1