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業務改善助成金

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金の引上げを図るため、生産性向上を図る上で必要となる投資に対して助成するものです。

目次

1 制度概要
2 助成額
3 対象となる取組み・経費
4 手続きの流れ
5 生産性要件

関連ページ:雇用関係助成金共通事項

1 制度概要

1-1 制度概要

業務改善助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引上げ設備投資などを行った場合に、その費用の一部を助成します。

1-2 最低賃金引上げ額

事業場内最低賃金を30円~90円以上 引き上げることが要件です。

すべての労働者を新しい事業場内最低賃金以上まで引き上げる必要があります。
引上前の事業場内最低賃金未満の労働者について、引上げ額以上となった労働者数に応じて助成金の上限額が設定されています。

1-3 事業場内最低賃金の計算方法

日給の場合、賃金額を1日の所定労働時間で割って時間あたりの賃金額を算定します。
月給の場合、賃金額を1か月の所定労働時間で割って時間当りの賃金額を算定します。

次の手当は最低賃金に参入しません。

・臨時に支払われる賃金
・1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・時間外労働、休日労働、深夜労働(22時から翌5時までの労働)に対する割増賃金
・精皆勤手当
・通勤手当
・家族手当

 

2 助成額

助成金の額は、生産性向上や労働能率の増進に資する設備投資等に要した費用に助成率を乗じた額となります。
また、賃金引上げ額と引き上げる労働者数に応じて上限額が設けられています。

2-1 助成率

(1)事業場内最低賃金900円未満の場合
 4/5(9/10)

(2)事業場内最低賃金900円以上の場合
 3/4(4/5)

※カッコは生産性要件を満たした場合

2-2 上限額

※10人以上の上限額区分は、事業場内最低賃金900円未満の場合、または売上高等が直近3か月の月平均が前年または前々年の同月に比べて30%以上減少している場合に対象となります。

 

3 対象となる取組み・経費

生産性向上のために設備投資やコンサルタントの活用等の費用が対象となります。

3-1 対象となる取組例

・POSレジシステム導入による在庫管理の短縮
・リフト付き特殊車両の導入による送迎時間の短縮
・顧客・在庫・帳票管理システムの導入による業務の効率化
・専門家のコンサルティングによる業務フロー見直しによる顧客回転率の向上
・外部講師による従業員向けの研修、導入機器の操作研修
・外部団体等が行う人材育成セミナー等の受講  など

3-2 対象となる経費

経費区分 内容
謝金 専門家謝金
旅費 専門家旅費、職員旅費(外国旅費、日当、宿泊費を除く。)
借損料 器具機械借料及び損料、物品借料及び損料等の経費(会場借料を除く。)
会議費 会議の費用(会場借料、通信運搬費を含む。)
雑役務費 受講料等の費用(試作・実験費、造作費を除く。)
印刷製本費 研修資料、マニュアル等の作成費用
原材料費 資材購入の費用
機械装置等購入費 機械・設備類(特殊用途自動車以外の自動車、パソコン(タブレット端末やスマートフォン及びその周辺機器を含む。)は除く。)の購入、製作又は改良の費用
造作費 機械装置据付等の費用
人材育成・教育訓練費 外部団体等が行う人材育成セミナー等の受講費(賃上げに効果的なものに限る。)
経営コンサルティング経費 外部専門家やコンサルタント会社による経営コンサルティング費用(人員削減、労働条件の引下げを内容とするものは除く。)
委託費 調査会社、システム開発会社等への委託費用(就業規則の作成・改正及び賃金制度の整備は除く。)

※それぞれの経費には上限などの条件が設定されている場合があります。詳細はご相談ください。

3-3 経営コンサルティング経費

経営コンサルティング経費については、人員削減や労働条件の引下げを内容とするものは助成対象外となります。
助成対象となる経営コンサルティングは、中小企業診断士、社会保険労務士、ファイナンシャル・プランニング技能士(1級または2級に限る)等の経営コンサルティングに資する国家資格を有し、常態として経営コンサルティング業をする者が実施したコンサルティングまたは金融機関が行う経営相談に限られます。

3-4 対象とならない経費

上記に該当する場合であっても除外される経費もあります。

・単なる経費削減を目的とした経費((例)LED電球への交換等)
・不快感の軽減や快適化を図ることを目的とした職場環境の改善経費((例)エアコン設置、執務室の拡大、机・椅子の増設等)
・通常の事業活動に伴う経費((例)事務所借料、光熱費、従業員賃金、交際費、消耗品費、通信費、汎用事務機器購入費、広告宣伝費等)
・法令等で設置が義務づけられ、当然整備すべきとされているにもかかわらず義務を怠っていた場合における、当該法令等で義務づけられたものの整備に係る経費及び事業を実施する上で必須となる資格の取得に係る経費
・交付決定日以前に導入又は実施した経費
・申請事業場の生産性向上、労働能率の増進が認められないと所轄労働局長が判断したもの
・経費の算出が適正でないと所轄労働局長が判断したもの
・その他、社会通念上助成が適当でないと所轄労働局長が判断したもの

4 手続きの流れ

業務改善助成金の手続きの概要を説明します。

【手続の流れ】

厚生労働省ホームページより

4-1 助成金交付申請書の提出

設備投資などの実施計画(業務改善計画)と事業場内最低賃金の引上げ計画(賃金引上計画)を記載した「交付申請書」を作成し、都道府県労働局に提出します。
この交付申請書を提出する前に設備投資や事業場内最低賃金の引上げを実施した場合は、助成金の対象となりません。

4-2 助成金交付決定通知

都道府県労働局において、交付申請書の審査を行い、内容が適正と認められれば助成金の交付決定通知が行われます。
設備投資等の実施および助成対象経費の支出は、交付決定後に行います。

4-3 業務改善計画と賃金引上計画の実施

業務改善計画に基づき、設備投資等を行います。また、賃金引上計画に基づき、事業場内最低賃金の引上げを行う。
事業場内最低賃金の引上げは、交付申請書の提出後から事業完了期日までであれば、いつ実施してもかまいません。

4-4 事業実績報告書の提出

業務改善計画の実施結果と賃金引上げ状況を記載した「事業実績報告書」を作成し、都道府県労働局に提出します。

4-5 助成金の額の確定通知と助成金の支払い

事業実績報告書が審査され、内容が適正と認められれば助成金額が確定し、事業主に通知されます。
助成金額の確定通知を受けた事業主は、「支払請求書」を提出し、助成金の支払いを受けます。

5 生産性要件

5-1 生産性要件

次の方法で計算した要件を満たしている場合に、助成の割増等を行います。

助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
・その3年度前に比べて6%以上伸びていること
・その3年度前に比べて1%以上(6%未満)伸びていること※

※この場合には、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていることが要件となります。

5-2 生産性

次の計算式によって計算します。

5-3-1 付加価値額

付加価値額は、「営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課」の計算式で算出されるものです。
付加価値額の人件費は、次のものを対象としています。

・従業員給与、通勤費などの諸手当、賞与、退職金に相当するもの
・法定福利費(社会保険料等)、福利厚生費
・雑給(臨時アルバイト等の給与)
・研修費、教育訓練費
・製造原価に含まれる労務費

役員に対する報酬等の人件費や出張旅費などの旅費交通費、派遣労働者に係る派遣手数料は対象になりません。

5-3-2 付加価値額の比較対象期間

直近年度の事業年度とその3年前の事業年度を比較します。
(例)
【直近年度(決算日)】
2020年3月31日(期間2019年4月1日~2020年3月31日)
【3年前事業年度(決算日)】
2017年3月31日(期間2016年4月1日~2017年3月31日)

5-4 雇用保険被保険者数

生産性の算出に使用する雇用保険被保険者数は、付加価値額の対象期間(事業年度)末日における雇用保険被保険者数となります。
雇用保険被保険者数には、日雇労働被保険者や、季節的に雇用される短期雇用特例被保険者は含みません。

5-5 生産性の伸び

直近年度とその3年前の事業年度を比較して伸び率を算出します。

5-6 生産性の向上に効果があった事業主の取り組み

生産性の向上に効果があった事業主の取り組みの具体的な内容を説明することが求められています。
(例)
従業員の能力開発・意欲(働きがい)の向上、働き方や働きやすさの改革、業務の効率性や成果を高める設備の導入など

最終更新日:2022/4/25