補助金制度活用事例
補助金制度の活用事例を説明いたします。
ものづくり補助金を活用し、その後、伴走支援を行った事例です。
※守秘義務等に配慮し、一部事実と異なる点もございます。
2 現状分析
A社の強みは、地元産の美味しい果物や野菜を原料として使用した無添加ジャム。
地元産原料にこだわった製品であり、そのための豊富な仕入れ先を確保していることでした。
それらを使用した無添加ジャムは若い女性をはじめとして人気があります。
一方で、競合品も増え続けていることに危機感を持っています。
ジャムの売上高は伸び悩み、緩やかに減少していることがわかっています。
変わらぬ味を提供してきた当社製品は一定数のファンを持ちながらも、低価格の競合品に徐々に顧客を奪われていたのです。
今回の設備投資は、売上高の減少を受け、生産性を高めることで利益を確保しようという狙いがありました。
計画する設備を導入すれば古い設備に比べて生産性が向上することはわかっています。
しかし、撹拌工程のみ生産性が向上しても、後工程の生産性が変わらなければ効果は限定的であることもわかりました。
協議の結果、当社の本当の経営課題は、生産性を向上することよりも、競争力のある製品開発を行うことであるとの結論に至りました。
3 新たな取組み
4 課題と解決策
機能性成分を配合したジャムの製造について課題もありました。
ジャムの製造工程における撹拌過程では、これまで以上に十分な撹拌が必要となります。
これまでの原料に機能性成分を加えた際に、撹拌が不十分だと機能性成分に偏りが生じてしまうというものです。
製品によって機能性成分が少なく含まれるもの、多く含まれるものがあっては問題となります。
機能性成分を少なければ効果が薄くなりますし、多すぎれば健康への影響が懸念されます。
原材料と機能性成分を短時間で十分な撹拌を行うことが課題となっていました。
現在の撹拌設備では時間がかかりすぎます。
そこで、課題解決策として、新たな撹拌設備を導入することが掲げられました。
5 事業化に向けた取組み
新たな製品を提供することができても、売れなければ話になりません。
既存製品のユーザーは、若い女性が中心であることはわかっています。
これまでの販路は、主にデパートや雑貨店での販売となっていました。
新製品は、美肌効果や痩身効果が期待されるものです。
これまでの販路をより拡大するために協議したところ、エステティックサロンなどの美容業界が候補としてあがりました。
調べてみると、エステティックサロンの店舗数が拡大していることや、競争が激化し客単価を上げるための取り組みとして物販に力を入れていることもわかり、マーケティング戦略として組み立てることとしました。
7 弊社の支援
弊社では、単なる代書ではなく、自社の経営を良くしたいと考える経営者のみなさまと一緒に考え事業計画書を作成していきます。
採択後についても、交付申請や実績報告といった補助金を受給するまでの手続きをサポートしていまいります。
また、補助事業の活用にあたって、他の補助金や助成金の活用可能性を提案したり、必要な許認可の取得や、労務管理、組織開発といった多面的な支援を行っております。
本事例の企業については、その後、本事業の販売促進に向けた小規模事業者持続化補助金を活用したり、新事業への進出に向けた事業再構築補助金を活用したりしています。
さらに、働きやすい職場環境を整備するため、助成金(雇用保険事業)を活用するほか、働きやすい職場環境づくり推進助成金を活用し、ESサーベイ(従業員満足度調査)による組織開発等を積極的に進めています。
最終更新日:2022/11/1